○島根県後期高齢者医療広域連合情報公開条例
平成19年5月14日
条例第23号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 公文書の公開(第5条―第19条)
第3章 審査請求等(第19条の2―第31条)
第4章 総合的な情報公開の推進(第32条・第33条)
第5章 雑則(第34条―第37条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、公文書の公開を求める権利及び情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、島根県後期高齢者医療広域連合(以下「広域連合」という。)の保有する情報の一層の公開を図り、もって住民に説明する責務を全うするとともに、広域連合の諸活動に対する理解と信頼の下に住民参加による開かれた行政を推進することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「実施機関」とは、広域連合長、選挙管理委員会、監査委員及び議会をいう。
2 この条例において「公文書」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして当該実施機関が管理しているものをいう。ただし、次に掲げるものを除く。
(1) 官報、公報、新聞、書籍その他不特定多数の者に販売することを目的として発行されるもの
(2) 広域連合の施設又は機関において住民の利用に供することを目的として管理されているもの
(解釈及び運用)
第3条 実施機関は、住民の公文書の公開を請求する権利を十分に尊重して、この条例を解釈し、運用しなければならない。この場合において、実施機関は、個人に関する情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。
(適正な請求及び使用)
第4条 この条例の定めるところにより公文書の公開を請求するものは、この条例の目的に即し、適正な請求に努めるとともに、これによって得た情報を適正に使用しなければならない。
第2章 公文書の公開
(公文書の公開を請求できるもの)
第5条 次に掲げるものは、実施機関に対して公文書の公開(第5号に掲げるものにあっては、そのものの有する利害関係に係る公文書の公開に限る。)を請求することができる。
(1) 県内に住所を有する者
(2) 県内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
(3) 県内に存する事務所又は事業所に勤務する者
(4) 県内に存する学校に在学する者
(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務又は事業に直接の利害関係を有するもの
(1) 氏名又は法人その他の団体の名称及びその代表者の氏名
(2) 住所、事務所又は事業所の所在地
(3) 公開を請求しようとする公文書を特定するために必要な事項
(4) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 実施機関は、公開請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
(公文書の公開義務)
第7条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る公文書に次の各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該公文書を公開しなければならない。
(1) 法令若しくは条例(以下「法令等」という。)の規定により、又は法律若しくはこれに基づく政令の規定による指示(地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条第1号へに規定する指示その他これに類する行為をいう。)により公開することができない情報
(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され、若しくは識別され得るもの又は特定の個人を識別することはできないが、公開することによりなお特定の個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報
ウ 当該個人が公務員等(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第4項に規定する行政執行法人の役員及び職員を除く。)、独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)の役員及び職員並びに地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の職及び当該職務遂行の内容に係る部分
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより、当該法人等又は個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報を除く。
(4) 公開することにより、犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある情報
(5) 広域連合の機関、国、独立行政法人等又は他の地方公共団体(以下「広域連合等」という。)の内部又は相互間における審議、検討又は協議等に関する情報であって、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、住民等の間に不当に混乱を生じさせるおそれ又は特定のものに不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあると認められるもの
(6) 広域連合等が行う事務又は事業に関する情報であって、公開することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障が生ずるおそれがあると認められるもの
ア 監査、検査、取締り又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、広域連合等の財産上の利益又は当事者としての地位を害するおそれ
ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を阻害するおそれ
エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
オ 国若しくは他の地方公共団体が経営する企業又は独立行政法人等に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ
(部分公開)
第8条 実施機関は、公開請求に係る公文書の一部に非公開情報が記録されている場合において、非公開情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、公開請求者に対し、当該部分を除いた部分を公開しなければならない。ただし、当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは、この限りでない。
(公益上の理由による裁量的公開)
第9条 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報(第7条第1号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当該公文書を公開することができる。
(公文書の存否に関する情報)
第10条 公開請求者に対し、当該公開請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで、非公開情報を公開することとなるときは、実施機関は、当該公文書の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。
(公開の請求に対する措置)
第11条 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部又は一部を公開するときは、その旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨(一部を公開するときは、公開しない部分及びその理由を含む。)及び公開の実施に関し規則で定める事項を書面により通知しなければならない。
2 実施機関は、公開請求に係る公文書の全部を公開しないとき(前条の規定により公開請求を拒否するとき及び公開請求に係る公文書を保有していないときを含む。)は、公開しない旨の決定をし、公開請求者に対し、その旨及び理由を書面により通知しなければならない。
(1) 本条を適用する旨及びその理由
(2) 残りの公文書について公開決定等をする期限
(事案の移送)
第14条 実施機関は、公開請求に係る公文書が他の実施機関により作成されたものであるときその他他の実施機関において公開決定等をすることにつき正当な理由があるときは、当該他の実施機関と協議の上、当該他の実施機関に対し、事案を移送することができる。この場合において、移送をした実施機関は、公開請求者に対し、事案を移送した旨を書面により通知しなければならない。
2 前項の規定により事案が移送されたときは、移送を受けた実施機関において、当該公開請求についての公開決定等をしなければならない。この場合において、移送をした実施機関が移送前にした行為は、移送を受けた実施機関がしたものとみなす。
2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、公開決定に先立ち、当該第三者に対し、公開請求に係る公文書の表示その他規則で定める事項を書面により通知して意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。
(2) 第三者に関する情報が記録されている公文書を第9条の規定により公開しようとするとき。
(公文書の公開の実施)
第16条 実施機関は、公開決定をしたときは、速やかに公開請求者に対し当該公文書を公開しなければならない。
2 公文書の公開は、文書、図画又は写真については閲覧又は写しの交付により、フィルムについては視聴又は写しの交付により、電磁的記録についてはその種別、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により、原則として実施機関が指定する日時及び場所において行う。
3 前項の規定にかかわらず、実施機関は、閲覧又は視聴の方法による公文書の公開にあっては、当該公文書の保存に支障があると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しによりこれを行うことができる。
(費用負担)
第18条 この条例の規定により公文書の写しの交付を受けるものは、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。
(任意公開)
第19条 実施機関は、第5条に掲げるもの以外のものから公文書の公開の申出があった場合は、これに応ずるよう努めるものとする。
第3章 審査請求等
(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)
第19条の2 公開決定等又は公開請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。
(審査会への諮問)
第20条 公開決定等又は公開請求に係る不作為について審査請求があったときは、当該審査請求に対する裁決をすべき実施機関は、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、遅滞なく島根県後期高齢者医療広域連合情報公開審査会に諮問しなければならない。
(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。
(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を公開することとするとき。ただし、当該公文書の公開について反対意見書が提出されているときを除く。
2 前項の規定による諮問は、行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。
3 第1項の規定により諮問をした実施機関(以下「諮問実施機関」という。)は、次に掲げるものに対し、諮問をした旨を通知しなければならない。
(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この章において同じ。)
(2) 公開請求者(公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(3) 当該審査請求に係る公文書の公開について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)
(審査請求に対する裁決)
第21条 諮問実施機関は、前条の規定による諮問に対する答申を受けたときは、これを尊重し、速やかに当該審査請求に対する裁決をするものとする。
(1) 公開決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決
(2) 審査請求に係る公開決定等(公開請求に係る公文書の全部を開示する旨の決定を除く。)を変更し、当該審査請求に係る公文書を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該公文書の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)
(島根県後期高齢者医療広域連合情報公開審査会)
第22条 次に掲げる事務を行うため、島根県後期高齢者医療広域連合情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。
(1) 第20条第1項の規定により諮問された事項について審議すること。
(2) 情報公開制度に関する重要な事項について、実施機関の諮問に応じて答申し、及び建議すること。
2 審査会は、委員5人以内で組織する。
3 委員は、学識経験を有する者のうちから広域連合長が任命する。
4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
5 委員は、再任されることができる。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。
(会長)
第23条 審査会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審査会を代表する。
3 会長に事故があるとき、又は欠けたときは、あらかじめ会長の指名する委員が、その職務を代理する。
(審査会の調査権限)
第24条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問実施機関に対し、公開決定等に係る公文書の提示を求めることができる。この場合においては、何人も、審査会に対し、その提示された公文書の公開を求めることができない。
2 諮問実施機関は、審査会から前項の規定による求めがあったときは、これを拒んではならない。
3 審査会は、必要があると認めるときは、諮問実施機関に対し、公開決定等に係る公文書に記録されている情報の内容を審査会の指定する方法により分類又は整理した資料を作成し、審査会に提出するよう求めることができる。
(意見の陳述)
第25条 審査会は、審査請求人又は参加人から申立てがあったときは、当該申立てをした者(以下この条において「申立人」という。)に口頭で審査請求に係る事件に関する意見を述べる機会を与えなければならない。ただし、当該申立人の所在その他の事情により当該意見を述べる機会を与えることが困難であると認められる場合には、この限りではない。
2 前項本文の規定による意見の陳述(以下この条において「口頭意見陳述」という。)は、審査会が期日及び場所を指定し、審査請求人等を招集してさせるものとする。
3 口頭意見陳述において、申立人は、審査会の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
4 口頭意見陳述において、審査会は、申立人のする陳述が審査請求に係る事件に関係のない事項にわたる場合その他相当でない場合には、これを制限することができる。
5 口頭意見陳述に際し、申立人は、審査会の許可を得て、審査請求に係る事件に関し、実施機関に対して、質問を発することができる。
(意見書等の提出)
第26条 審査請求人等は、審査会に対し、意見書又は資料を提出することができる。ただし、審査会が意見書又は資料を提出すべき相当の期間を定めたときは、その期間内にこれを提出しなければならない。
(提出資料の閲覧等)
第28条 審査請求人等は、審査会に対し、審査会に提出された意見書又は資料の閲覧(電磁的記録にあっては、記録された事項を審査会が定める方法により表示したものの閲覧)又は写しの交付(電磁的記録にあっては、当該電磁的記録に記載された事項を記載した書面の交付)を求めることができる。この場合において、審査会は、第三者の利益を害するおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧又は写しの交付を拒むことができない。
2 審査会は、前項の規定による閲覧について、日時及び場所を指定することができる。
(調査審議手続の非公開)
第29条 第22条第1項第1号の規定により審査会が行う調査審議の手続は、公開しない。
(答申の送付等)
第30条 審査会は、諮問に対する答申をしたときは、答申書の写しを審査請求人及び参加人に送付するとともに、答申の内容を公表するものとする。
(規則への委任)
第31条 この章に定めるもののほか、審査会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第4章 総合的な情報公開の推進
(総合的な情報公開の推進)
第32条 実施機関は、この条例に定める公文書の公開のほか、住民が広域連合の諸活動に関する正確でわかりやすい情報を適切に得ることができるよう、情報公開の総合的な推進に努めるものとする。
(情報提供の推進)
第33条 実施機関は、その保有する情報を適時に、かつ、適切な方法により、住民に対し積極的に提供するよう努めるとともに、刊行物その他の行政資料の収集及び適正な管理を行い、広く住民の利用に供するものとする。
第5章 雑則
(公文書の管理)
第34条 実施機関は、この条例の適正かつ円滑な運用に資するため、公文書を適正に管理するものとする。
2 実施機関は、公文書の管理に関する必要な事項について定めるとともに、これを公表するものとする。
(運用状況の公表)
第35条 広域連合長は、毎年1回この条例の運用状況を取りまとめ、これを公表するものとする。
(適用除外)
第36条 法律の規定により、行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号)の規定が適用されないこととされた公文書については、この条例の規定は、適用しない。
(委任)
第37条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(適用区分)
2 この条例の規定は、平成19年2月1日以後に実施機関が作成し、又は取得した公文書について適用する。
附則(平成19年9月21日条例第30号)
この条例は、平成19年10月1日から施行する。
附則(平成28年2月16日条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
(島根県後期高齢者医療広域連合情報公開条例の一部改正に伴う経過措置)
2 公開決定等又は公開請求に係る不作為についての審査請求であって、この条例の施行前にされた公開決定等又はこの条例の施行前にされた公開請求に係る不作為に係るものについては、なお従前の例による。
附則(令和6年2月9日条例第1号)
この条例は、令和6年3月1日から施行する。